AGAのメカニズムにおいて男性ホルモンの影響が主因であることは間違いありませんがそれと同じくらい無視できない要因として「頭皮の血行不良」があり特に頭頂部はこの影響をダイレクトに受ける部位です。頭部は心臓から最も高い位置にあるため重力に逆らって血液を送らなければならずただでさえ血流が悪くなりやすい環境にあります。さらに頭頂部には筋肉が存在せず帽状腱膜という膜で覆われているだけなので自力で動かすことができずストレスや眼精疲労、食いしばりなどで頭蓋骨周りの筋肉が凝り固まるとこの腱膜が引っ張られて突っ張りパンパンに張った状態になります。こうなると頭皮下の毛細血管が圧迫されて血流が遮断され毛根に酸素や栄養が届かなくなる「兵糧攻め」の状態に陥ります。つむじ周辺が薄くなっている人の頭皮を触ると例外なく硬く動きが悪くなっているのはこのためです。この状況を打破するための物理的なアプローチとして頭皮マッサージは決して気休めではなく医学的にも理にかなった補助療法となります。正しいマッサージの目的は「頭皮を柔らかくして血流を再開させる」ことです。爪を立てずに指の腹や掌の付け根を使って耳の上や首の後ろなどの筋肉がある部分をほぐし頭頂部に向かって血流を押し上げるようにマッサージします。さらに頭頂部の皮膚を頭蓋骨から剥がすようなイメージで大きく動かすことで圧迫されていた血管が解放され血流が改善します。お風呂上がりなどの体が温まっているタイミングで行うとより効果的です。また最近の研究では頭皮に適切な振動圧刺激を与えることで毛乳頭細胞が活性化し発毛シグナルが出されることも示唆されています。もちろんマッサージだけでAGAが治るわけではありませんがフィナステリドで脱毛指令を止めミノキシジルで血流を促すという薬物療法と並行して物理的に頭皮環境を整えることは治療効果を底上げするための強力なブーストとなります。硬くなった頭頂部は砂漠のようなものでありそこにいくら良い肥料(薬)を撒いても浸透しません。まずはマッサージで頭皮を耕しフカフカの土壌に戻すことが健康な髪を育てるための必須条件なのです。