AGA治療薬の歴史においてフィナステリド(プロペシア)に次ぐ第二の選択肢として登場したデュタステリド(ザガーロ)はより強力な発毛効果を持つ反面その価格の高さが普及のボトルネックとなっていましたが近年の特許期間満了に伴いジェネリック医薬品が登場したことで治療の勢力図が大きく塗り替えられようとしています。フィナステリドがII型の5アルファリダクターゼのみを阻害するのに対しデュタステリドはI型とII型の両方の酵素を阻害することでAGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の産生をより強力に抑制するという特徴があります。臨床試験においてはフィナステリドよりも発毛本数や毛の太さにおいて優れた結果を出しており特に生え際の後退やフィナステリドでは効果が不十分だったケースに対する切り札として期待されていました。しかし先発薬であるザガーロは薬価が高く毎月のランニングコストが一万円を超えることも珍しくなかったため多くの患者が二の足を踏んでいました。ところが2020年頃から国内の主要なジェネリックメーカーが相次いでデュタステリド錠の製造販売承認を取得し市場に参入したことで価格競争が起き現在ではフィナステリドの先発薬と変わらないかあるいはそれ以下の価格でデュタステリドによる治療を受けることが可能になりました。この「価格の壁」の崩壊はAGA治療におけるパラダイムシフトでありこれまでは費用対効果を考えてフィナステリドを選んでいた層がより高い効果を求めてデュタステリドへと移行する動きが加速しています。またカプセル剤が主流だったザガーロに対しジェネリックでは小型の錠剤タイプも開発され飲みやすさが向上している点も患者にとっては嬉しい進化です。もちろん効果が強い分副作用のリスクや半減期の長さなどの注意点もありますが医師と相談しながらコストを気にせずに最強の武器を選べるようになったことは薄毛に悩む全ての男性にとって大きな福音と言えるでしょう。ジェネリックの登場は単なる値下げではなく治療の選択肢を広げより多くの人が最先端の医療の恩恵を受けられるようにするための社会的なインフラ整備のような役割を果たしているのです。
先発薬ザガーロの特許切れで加速するデュタステリドの普及