AGA治療の頼もしい味方であるプロペシアですが、医薬品である以上、服用する上での、いくつかの重要な注意点と、副作用の可能性について、正しく理解しておく必要があります。まず、最も厳格に守らなければならない注意点が、「女性と子供は、絶対に触れてはならない」ということです。プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、男性ホルモンに作用する薬です。特に、男の子の胎児の、生殖器の発達に、深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、妊娠中の女性や、妊娠の可能性がある女性が、この薬を服用することはもちろん、錠剤が割れたり、砕けたりして、その粉末に触れることさえも、絶対に避けなければなりません。錠剤は、コーティングされているため、通常に触れる分には問題ありませんが、保管場所には、細心の注意が必要です。子供の手の届かない、安全な場所に、厳重に保管してください。次に、副作用についてです。プロペシアの副作用として、最も多く報告されているのが、「性欲減退」や「勃起機能不全(ED)」といった、男性機能への影響です。ただし、その発生頻度は、臨床試験では、1%から5%程度と、決して高いものではなく、また、プラセボ(偽薬)を服用したグループとの間に、大きな差はなかった、というデータもあります。薬の直接的な影響だけでなく、心理的な要因も、大きく関与している可能性が考えられます。これらの症状が現れた場合は、一人で悩まず、すぐに処方を受けた医師に相談してください。多くの場合、服用を中止すれば、症状は回復します。また、頻度は極めて稀ですが、その他にも、「肝機能障害」や、気分の落ち込みといった「うつ症状」なども、副作用として報告されています。服用を開始してから、体に、何かこれまでと違う変化を感じた場合は、それが薬のせいかどうかを自己判断せず、速やかに専門医の診察を受けることが重要です。そして、プロペシアを服用している間は、「献血」をすることができません。服用を中止してから、最低でも1ヶ月間は、期間を空ける必要があります。これらの注意点を、正しく守ること。それが、プロペシアの恩恵を、安全に、そして最大限に享受するための、絶対条件なのです。