AGAによる薄毛の進行パターンは、主に生え際から後退していく「M字型」、頭頂部から薄くなる「O字型」、そしてその両方が同時に進行する「U字型(M字+O字)」に大別されます。これらのタイプによって、自覚しやすい進行速度や、最終的な薄毛の範囲に特徴が見られることがあります。まず「M字型」は、生え際の両サイド、いわゆる「剃り込み」部分から後退していくのが特徴です。比較的ゆっくりと進行することが多いですが、毎日鏡で見る顔の一部であるため、わずかな変化にも気づきやすく、本人は進行が速いと感じることがあります。進行すると、額がどんどん広くなっていき、最終的には頭頂部の薄毛と繋がってしまうことも少なくありません。次に「O字型」は、つむじ周りを中心に、円形に薄毛が広がっていくタイプです。自分では直接見ることが難しい部位であるため、初期段階ではなかなか気づきにくいのが特徴です。ある日、他人からの指摘や、合わせ鏡で見て初めてその進行度に愕然とするケースが多く、気づいた時にはかなり進行していた、という意味で「進行が速い」と感じられがちです。頭頂部の皮膚は薄く、血行も滞りやすいため、一度進行し始めると広がりやすい傾向があります。最後に「U字型」は、M字型とO字型が同時に進行するパターンです。これは、AGAの遺伝的素因が特に強い場合に見られ、進行速度も速い傾向にあります。生え際と頭頂部の両方から薄毛が進行し、最終的に側頭部と後頭部の毛だけが残る、最も進行した状態に至るまでの期間が比較的短いとされています。ご自身の薄毛がどのタイプかを知ることは、今後の進行を予測し、より効果的な対策を立てる上での重要な手がかりとなるでしょう。