ミノキシジルとフィナステリド初期脱毛がひどいのはどっち?
AGA治療薬には、大きく分けて「プロペシア(フィナステリド)」や「ザガーロ(デュタステリド)」といった抜け毛を抑制する薬と、「ミノキシジル」のような発毛を促進する薬があります。どちらの薬でも初期脱毛が起こる可能性はありますが、そのメカニズムと症状の出方には違いがあり、一般的に「ひどい」と感じられやすいのはミノキシジルの方です。まず、フィナステリドやデュタステリドの役割は、AGAの原因物質であるDHTの生成を抑えることです。これにより、乱れたヘアサイクルが正常化に向かいます。その過程で、すでに成長が止まっていた休止期の毛が抜け落ち、新たに健康な成長期の毛が生えてくる準備が整います。これはヘアサイクルの“正常化”に伴う脱毛であり、比較的穏やかに進むことが多いとされています。一方、ミノキシジルは全く異なるアプローチを取ります。ミノキシジルは、毛根にある毛母細胞そのものを直接活性化させ、血行を促進することで、髪の成長を強力にサポートします。いわば、休んでいる毛根を叩き起こし、「強制的に働かせる」ようなイメージです。この強力な作用により、休止期にあった毛が一斉に成長期へと移行させられます。その結果、古い毛を押し出す力が強く働き、短期間でまとまった量の髪が抜け落ちるため、初期脱毛が非常に「ひどい」と感じられやすいのです。特に、ミノキシジルのタブレット(内服薬)は、外用薬よりも全身への作用が強いため、この傾向がより顕著になることがあります。したがって、もしあなたがミノキシジルを使用していてひどい初期脱毛に悩んでいるなら、それは薬が毛根に強力に作用している証拠です。その分、その後の発毛効果にも大きな期待が持てると言えるでしょう。